17.05.2025
朝6時に起きる。今日は土曜日で休みだからいいかと思い二度寝することにした。結局9時に起きて、少し朝を無駄にした気持ちになった。朝食はカズがトーストしたサワードゥとスクランブルエッグを作ってくれた。結構美味しく、ロイヤルホスト風のクリーミーかつほんの少し硬めなテクスチャーだった。本人としてはあまり納得いってないそうで、もっとクリーミーにしたかったそう。
私はすぐに出かける準備をし、Orange glebe marketへバスで向かう。ここは土曜のみ開催のお気に入りのファーマーズマーケットで、他のマーケットに比べ野菜や果物、パンやお花、フードのクオリティーがいいのに加え、値段も悪くない。そしてなによりも活気があり、来ている人たちはちゃんと地元の食材をごっそりと自前のカートにのせて帰る。いくつか八百屋の屋台がある中で、端にあるいつもの屋台に向かう。今日はカリフラワーにカボチャ、アボカド、梨を買う。カズが好きなアイリッシュソーダスコーンを売っているパン屋にも寄り、めずらしくローストパンプキンのフレーバーがありそれを買ってみる。2軒先にもスコーンを売っている屋台があり、違うお店で買ってしまったことに気づいた。時すでに遅しで、仕方なくまたバスに乗って帰ることにした。
帰ってきた頃にはカズは友達と出かけていて、洗濯機に入れておいてくれていた洗濯を干した。今日は久しぶりにものすごくいい天気で、半袖で過ごせるくらいに暖かいのは嬉しい。人間にとって天気ほど生活を左右し、時には人格形成まで影響を及ぼすものはないよなと、洗濯物を伸ばしながら考えていた。
自分の作業に入る。日記を書き、ウィービングを進める。13時頃にカズは帰ってきて、冷凍しておいたたくさんのキムチ餃子を使ってスープにする。
とてもいい天気だからなんだか出かけたくなり、北の海の方にあるベイウォークができるエリアに40分かけて歩いてみることにした。初めて行くエリアなのと道中のエリアも通ったことのない道ばかりで、最近は慣れた景色ばかりに出かけていたせいかとても新鮮だった。それと同時に、行く場所が限られてきたなんてすっかりシドニーという都市に慣れてしまったなとも思った。東京でもそう。挑戦してどこかに行くことはたまにあるけれど、ほとんどは知っている場所だしすでに行ったこともある。だからこそ行動範囲も決まってくるし、目新しさとは皆無になってしまう。
ベイウォークは公園から始まり、そして海へと続く。公園ではラグビーのチームがタックルのトレーニングをしていて、彼らの肩の筋肉構造が気になってまじまじと見てしまった。言うなれば私は命懸けのスポーツとは無縁の人生を送ってきたから、彼らとは真逆の世界でスポーツマンシップも知らず、グループの中で生き抜くことも知らない。こうして対極にいる自分を諦観した。北の方に行くにつれて見える景色が変わる様は面白かった。特に家のサイズがだんだんと大きくなり、庭付きに変わっていく。歩きながら郊外に行っている気分である(実際はそこまで郊外ではないのである)。そして少しずつ海が見えてくる。シドニーの海の景色は分かりやすく、神奈川の海のように突然にバンッとサプライズで見せてくれるイメージだから、少しずつチラ見せしてくれるスタイルはなんだか久しぶりで高揚した。海の方のベイウォークは、やはり皆考えることは同じなようで結構混んでいた。
芝生で少し休憩をすることにし、朝にマーケットで買ったローストパンプキンのスコーンを食べてみる。いつものアイリッシュソーダスコーンとは全く違う。すごくパサパサでそのままでは食べられず、家に帰って焼いてバターとメープルシロップと食べることにした。
帰りはまたスーパーに寄る必要があった。ディナーにフィッシュピカタを作るため、レシピのソースには生クリームが必要だった。30分歩いてWoolworthsに行く。買い物を済ませ、バスで帰ろうとバス停まで向かうとすでに来ていて信号で止まっていた。次のバス停まで近いから、走って乗ってみようとチャンスを賭けてみる。気づいたらバスは先ほどの交差点で曲がっていて、私たちは違うところまで走っていたのだ。仕方なく次のバスを待つ。今日は仕方のない日だ。
帰宅して少し休憩する。1時間半くらい歩いていたからさすがに体は疲れていた。ディナーは今日買ったカリフラワーと芽キャベツに少しスパイスを加えてオーブンで焼く。焼いている間にバナナケーキを作る。そしてメインのフィッシュピカタを揚げ、その後にレモンクリームソースにパセリとケーパーを加えた。かなりの上出来でこれからのディナーの定番になりそうだ。
『PAST LIVES』を観る。最近私たちはグレタ・リーに惚れているから、さらに惚れ惚れしながら観入ってしまった。何度観てもじんわりと感情に刺さる映画である。特にノラとアーサーの関係性を示すシーンである、12年後の税関での受け答えのシーンの描き方は結構好きだった。23時就寝。