20.01.2026

新年早々から、日常的だが新しいことをやってみている。シドニーの美容院で髪を切ってもらうこと、歯医者でメンテナンスをしてもらうこと、お寿司を食べること。こうした東京で当たり前であった日常を、新しい土地でも戻していくことはその土着に馴染む上で大切なのだと思う。

歯医者に診てもらうことはかなり面白い気づきであった。着いて初診のためカルテに情報を記入するところまでは日本と同じなのだが、デンタルチェアに通され、歯をくまなく診てもらう。担当してくれたのは中国系のベテランのおばちゃんである。彼女は私の歯の一本に異変を見つけると、スマホを取り出して、鏡のプレート越しに写真を撮った。それを見せてくれて、「上の奥歯の端の部分に穴が空いているから、詰め物をした方がいい」といい、私はそれに従った。スマホで写真を撮られたのは初めてで、少し面白おかしく笑ってしまった。穴の原因は思うに、穴は数ヶ月前に食べたパッションフルーツの種だと思う。奥歯で噛み砕いた時に種の一部が間に挟まった感覚があり、その後数週間にわたって違和感があり、フロスで取れた時にはたぶん歯の一部を一緒に欠けてしまったのだろう。パッションフルーツに負けてしまったようで、少しやるせない気持ちになった。

まず麻酔から始まるのだが、ここで上手な歯医者とそうでない歯医者がわかると思っている。彼女は麻酔注射を入れていると私が気づかないくらいに、非常に上手であった。日本に帰った時にも虫歯の治療をしてもらっていたから、手順は大体わかる。

そこから穴と虫歯を削っていって、詰め物をしていくのだが、彼女は私の斜め右側で気持ちのいい子守唄のような鼻歌を響かせながら、治療を進め、左側にはアシスタントの女性がいて、2人ともものすごい手捌きで、驚く速さで進めていった。私は信頼を感じるとともに、ある種の恐怖もあった。アリ・アスター監督『Midsommar』のような優しげで安心感のある雰囲気で、何か恐ろしいことをするかもしれない感じである。

日本ではこの手の治療に1時間半ほどかかるものだが、彼女は30分ちょっとで終わらせてしまった。だが考えてみると、オーストラリアは時間に結構厳しいと感じられる。仕事において、タイムイズマネーが強く価値観のもとになっていると思う。先日行った美容院でもそのように感じた。カットだけの予約で行ったのだが、最初のカットのディスカッションも含めて、きっちり1時間で終わったのには驚いた。

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