Moe Matsuyama Moe Matsuyama

20.05.2025

朝7:35に起きる。今日も低気圧で体がだるい。朝食はサワードゥにバターとベジマイト塗り、その上にアボカドのせてを食べる。ベジマイトが味噌のような役割になってこれが結構美味しいのである。

8:20に出てブックバインディングの仕事に向かう。今日はA4サイズより少し大きいバイブル本のページ修復をする。修復といっても、まずページの折れを水ペンで直して平らにする作業から始まる。ダメージがひどい本なためすごく時間がかかった。そしてここ最近疲れが溜まっているのと、精神的に調子が悪いせいでまったく効率よく進まない。そして私の英語もだめだめである。精神状態と言語の発話というものは不思議とリンクするみたいだ。誰かと話す気分でもないしそのせいか話すべき時に全然言葉も出てこないのである。

ランチは昨日のディナーの残りのパスタを食べる。平野紗希子さんが成田悠輔さんとの対談で話していた「死んだ炭水化物」というパワーワードを思い出す。まさに私のパスタのことである。死んだパスタも案外悪くないのかもと肯定してみる。
今日は結局一日かかってページ折れの修復をしていた。こんなにかかるものなのかと自分にがっかりした。

17時にお店を後にし、Japan Foundationへ歩いて向かう。4冊ほど借りていた小説本の返却のためだ。ここは外務省管轄の国際交流基金で、日本の文化芸術を紹介しさまざまなイベントや展示を行っているところであり、図書館も併設しているのである。今日も返却とともに小説をいくつか借りた。図書館員のお兄さんはいつも少しぶっきらぼうな顔をしている。返却期限に遅れていたことを突かれ、少し機嫌悪そうに注意されてしまった。完全に私のせいなのは間違いないのだが。奥のスペースで展示もやっており、日本の工芸の刺し子や陶芸作品を展示していた。

バスで帰ろうとBroadwayのストリートのバス停に着くと人だかりができていて、調べてみたら電車の電線が絡んだのが原因で運行停止になったらしい。そのせいで電車に乗るはずだった人がバスの方に流れてきたらしい。運よく家までのバスがすぐに来たが、満員で乗車拒否されてしまった。他のバスも次々と乗車拒否のサインが車両フロントの電光掲示板に出ていた。仕方がないと思い、家の隣町エリアに行く423番バスには乗れたので、それに乗ることにした。一番家から近いと思われるEnmore Parkのバス停で降り、カズのワークショップからも中間地点とのことで、待ち合わせをして一緒に帰ることにする。20分かけて歩いて帰った。いろいろとうまくいかない日である。

ディナーはしいたけと卵とじうどん、レタスのオイスター炒めを作った。ぐったり疲れて、今日はすぐに寝ることにした。22時就寝。

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19.05.2025

朝7:30に起きる。グラノーラにオーツミルクをかけて食べる。朝から寒く雨が降っていたせいかあまり元気がでない。電車に乗ってRedfernに向かう。今日はブックバインディングの仕事だ。

月曜日の今日はオンラインストアからの注文商品の梱包・発送を1日かけてやる日だ。アイテム数が多いのと、大きな商品もあるから数時間では終わらないレベルの量なのである。今日はいつもよりも多いオーダー数が入っていて1日で梱包が終わるのか心配になる。とりあえず商品を集めて梱包を始める。16時には郵便局に行って発送しないといけないからそれまでに終わらせるように効率良く進める。かなりの単純作業ではあるが、いかに効率よく頭を使って進める作業だから意外と楽しんでやっている。

ランチは梅干しおにぎり2個とバナナケーキを持ってきて食べる。ギリギリで16:10に終わって郵便局に大量の商品を持っていく。郵便局員が一個ずつ発送登録するから結局30分以上かかり、お店に戻った頃には5時近くで帰る時間になっていた。

また明日ねとお店を後にし、Woolworthsによってマルドンの塩を買う。家に帰りシャワーを浴び、ディナーの準備をする。今日は土曜日のレモンクリームソースの残りを使って、マッシュルームクリームパスタを作る。レモンの酸味が強かったからブラウンシュガーとハチミツを少し加えた。結構上出来だった。そのあとはドラマを観て22:30就寝。

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18.05.2025

7:45に起きる。8:30からのマシーンピラティスをケイティと受ける約束をしていたから、カズとジムへ向かう。今日は雨と風が強くてとても寒い。とてもじゃないけどピラティスに行く気分にはならないが重し腰を上げていく。そしてマシーンピラティスにはトラウマがある。2週間前に初めて受けた時にまったく使いこなせず、クラスの中で一番だめためな生徒だったからだ。今日はそのリベンジも兼ねて、ケイティがアシストしてくれるとのことだ。今回はとても良かった。ストレッチから始まりゆっくりでシンプルな動きだけどしっかり腕や脚の筋肉に効いていた。先生の説明もわかりやすくて前でちゃんとお手本も見せてくれる。そしてなによりも動きがシンプルでマシーンと自分の体が一体になっているのを感じることができた。上手く使いこなせている証拠である。終わった後は隣のカフェSuperfreakで各々コーヒーをテイクアウトし、私はカフェインを控えているからチャイラテをオーダー。

近くでやっているMarrickville Organic Food Markに行く。道中に知り合いの鉄作家ケニーのスタジオで、最終日のグループ展をやっていた。私たちは初日のオープニングに行ったけれど、ケイティは初めてでそのスペースが気になっていたらしい。ケニー本人はおらず、スタジオを一緒にシェアしている他のアーティスト達がいて、彼らは近くでニットのポップアップをやっていることを教えてくれた。私たちはマーケットの後に行くことにした。

マーケットでは昨日のリベンジでアイリッシュソーダスコーンのデーツとナッツ入りのを買う。やっぱりこの味とテクスチャーだ!ペロリと平らげてしまった。ニットのポップアップに行く道中にまた新しいカフェを見つける。2週間くらい前にできたばかりのお店Bertasで、入り口横のメニューにハッシュッブラウンがあることがわかり食べてみることにした。テイクアウトを待っている間、ケイティは私たちにお手製のギフトボックスをくれた。箱の側面ごとに柄の違うペーパーを貼ったものの中にはニュージランドのマップ(彼女はこの間NZへトレッキング旅行に行っていた)と、手作りのグレーチェック柄のシュシュ、Micheal Marriottデザインのフックが入っていた。とてもチャーミングなギフトである。シュシュは先月に一緒に行った布屋さんで私が選んだ布を使って、大きなものが欲しいとリクエストしたらその通りにそれ以上に素敵に作ってくれた。
テイクアウトしたハッシュブラウンはハイレベルで美味しかった。上にはチリ風味の塩がかかっていて、その横にはディルが入ったクリームソースが添えられてあった。ポテトファンの私にとってはカリカリフワフワの揚げたてポテトにチリとディルのパンチはもちろん大好物である。

店を後にし目的のポップアップへ向かう。場所はたまたまカズのワークショップの目の前であった。そこはニットアーティストのスタジオらしく、アーティストの女の子が色々とテイスタイルのこと、マシーンウィービングの構造について色々と説明してくれ、デモンストレーションまで見せてくれた。私とケイティは見入ってかなり欲しくなってしまった。
カズのワークショップに少し寄り、ケイティと別れ、歩いて家に帰ることにする。それにしても風が強くて完全に真冬の気温である。帰ってデーツのグラノーラを焼き、ランチにトマトポタージュとパンプキンスコーンを温める。
ウィービングを進め、17:30からのカズのお父さんのお誕生日ディナーに向かう。少し早めに出て、薬局で処方箋の薬をもらう。1ヶ月分の薬に72ドルも払うのはかなり高いなと思いながら、しぶしぶ毎月払っている。日本だと1000円で済むからこそ余計に高く感じている。ディナーはErskinevilleにあるインドレストランDehli ‘O’ Delhiで、そこは3ヶ月前にブルーマウンテンの方で受けた瞑想コースのインド人生徒がおすすめしてくれたお店だ。かなり洗練させたお店で高級インド料理を味わえる。私たちは前菜にサモサ、メインは鴨のカレーと海老のココナッツカレー、そしてお気に入りのナスとカリフラワーのカレー、デザートに甘いドーナツのグラブジャムンとアイスのクルフィを頼んだ。全部バランスよく美味しかった。お父さんは普段は無口でほとんど自分から話さないが、今日はめずらしく饒舌で笑顔が多く、私にたくさん質問をしてきた。きっと楽しんでいたのだろう。

19時にはディナーは終わりバスで家まで帰る。早めにディナーを始めて早く帰宅するのは結構いいなと思った。少し作業をし、23時就寝。

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17.05.2025

朝6時に起きる。今日は土曜日で休みだからいいかと思い二度寝することにした。結局9時に起きて、少し朝を無駄にした気持ちになった。朝食はカズがトーストしたサワードゥとスクランブルエッグを作ってくれた。結構美味しく、ロイヤルホスト風のクリーミーかつほんの少し硬めなテクスチャーだった。本人としてはあまり納得いってないそうで、もっとクリーミーにしたかったそう。

私はすぐに出かける準備をし、Orange glebe marketへバスで向かう。ここは土曜のみ開催のお気に入りのファーマーズマーケットで、他のマーケットに比べ野菜や果物、パンやお花、フードのクオリティーがいいのに加え、値段も悪くない。そしてなによりも活気があり、来ている人たちはちゃんと地元の食材をごっそりと自前のカートにのせて帰る。いくつか八百屋の屋台がある中で、端にあるいつもの屋台に向かう。今日はカリフラワーにカボチャ、アボカド、梨を買う。カズが好きなアイリッシュソーダスコーンを売っているパン屋にも寄り、めずらしくローストパンプキンのフレーバーがありそれを買ってみる。2軒先にもスコーンを売っている屋台があり、違うお店で買ってしまったことに気づいた。時すでに遅しで、仕方なくまたバスに乗って帰ることにした。

帰ってきた頃にはカズは友達と出かけていて、洗濯機に入れておいてくれていた洗濯を干した。今日は久しぶりにものすごくいい天気で、半袖で過ごせるくらいに暖かいのは嬉しい。人間にとって天気ほど生活を左右し、時には人格形成まで影響を及ぼすものはないよなと、洗濯物を伸ばしながら考えていた。
自分の作業に入る。日記を書き、ウィービングを進める。13時頃にカズは帰ってきて、冷凍しておいたたくさんのキムチ餃子を使ってスープにする。

とてもいい天気だからなんだか出かけたくなり、北の海の方にあるベイウォークができるエリアに40分かけて歩いてみることにした。初めて行くエリアなのと道中のエリアも通ったことのない道ばかりで、最近は慣れた景色ばかりに出かけていたせいかとても新鮮だった。それと同時に、行く場所が限られてきたなんてすっかりシドニーという都市に慣れてしまったなとも思った。東京でもそう。挑戦してどこかに行くことはたまにあるけれど、ほとんどは知っている場所だしすでに行ったこともある。だからこそ行動範囲も決まってくるし、目新しさとは皆無になってしまう。

ベイウォークは公園から始まり、そして海へと続く。公園ではラグビーのチームがタックルのトレーニングをしていて、彼らの肩の筋肉構造が気になってまじまじと見てしまった。言うなれば私は命懸けのスポーツとは無縁の人生を送ってきたから、彼らとは真逆の世界でスポーツマンシップも知らず、グループの中で生き抜くことも知らない。こうして対極にいる自分を諦観した。北の方に行くにつれて見える景色が変わる様は面白かった。特に家のサイズがだんだんと大きくなり、庭付きに変わっていく。歩きながら郊外に行っている気分である(実際はそこまで郊外ではないのである)。そして少しずつ海が見えてくる。シドニーの海の景色は分かりやすく、神奈川の海のように突然にバンッとサプライズで見せてくれるイメージだから、少しずつチラ見せしてくれるスタイルはなんだか久しぶりで高揚した。海の方のベイウォークは、やはり皆考えることは同じなようで結構混んでいた。
芝生で少し休憩をすることにし、朝にマーケットで買ったローストパンプキンのスコーンを食べてみる。いつものアイリッシュソーダスコーンとは全く違う。すごくパサパサでそのままでは食べられず、家に帰って焼いてバターとメープルシロップと食べることにした。

帰りはまたスーパーに寄る必要があった。ディナーにフィッシュピカタを作るため、レシピのソースには生クリームが必要だった。30分歩いてWoolworthsに行く。買い物を済ませ、バスで帰ろうとバス停まで向かうとすでに来ていて信号で止まっていた。次のバス停まで近いから、走って乗ってみようとチャンスを賭けてみる。気づいたらバスは先ほどの交差点で曲がっていて、私たちは違うところまで走っていたのだ。仕方なく次のバスを待つ。今日は仕方のない日だ。

帰宅して少し休憩する。1時間半くらい歩いていたからさすがに体は疲れていた。ディナーは今日買ったカリフラワーと芽キャベツに少しスパイスを加えてオーブンで焼く。焼いている間にバナナケーキを作る。そしてメインのフィッシュピカタを揚げ、その後にレモンクリームソースにパセリとケーパーを加えた。かなりの上出来でこれからのディナーの定番になりそうだ。
『PAST LIVES』を観る。最近私たちはグレタ・リーに惚れているから、さらに惚れ惚れしながら観入ってしまった。何度観てもじんわりと感情に刺さる映画である。特にノラとアーサーの関係性を示すシーンである、12年後の税関での受け答えのシーンの描き方は結構好きだった。23時就寝。

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16.05.2025

朝5:45に起きる。雨が降っていたし、低気圧のせいかなんだかエナジーもなかったが、6:30にからのヨガのクラスにカズと向かう。トレーナーはこの間ダビンがお気に入りと言ってたイケメントレーナーのルカ。私が通うジムでもクラスがあることがわかり、即予約してみた。着いてチェックインをしようとしたら、カウンターのお姉さんにこの時間はヨガのクラスはないよと言われ、確認してみると6:00開始だった。完全に勘違いしていた。次のクラスは7:15からということで、予約を変更してもらう。隣のSuperfreakで待つことにし、チャイラテとクロワッサンをオーダー。日記を書き進める。
時間になり、また変更したヨガのクラスに向かう。カウンターのお姉さんに “Welcome back”をもらった。今日のクラスはかなりきつすぎた。瞑想から始まるのは良かったが、ゆっくりとした動きにつらいポーズで数秒間キープするのは私のスタミナと筋肉量ではついていけない。ピラティスくらい身体の動きとテンポがあるくらいでないとやはり私の身体には合わないことがわかった。
汗だくで真っ赤になりながら帰宅した。シャワーを浴び、仕事に行く準備をする。10時からボタン屋での仕事。

昨日は予算の2倍の売り上げだったから、今日は期待していなかったが結構お客さんが来た。午後にはキャンベラからのテキスタイル学生20人くらいが来て、一時狭い店内がぎゅうぎゅう詰めにもなった。ランチは簡単にサラミのサンドイッチ。パンにはバターとハチミツを塗っている。サラミにハチミツの組み合わせは最近ハマっている。ここではハニーマスタードやスイートチリなどの甘辛な味付けがみんな大好きで、サンドイッチやバーガーなどのソースでは定番と言っていいほど絶対にある。その甘辛食文化に私もまんまと影響されてしまった。
そしてお店には、数週間前から生後3ヶ月の赤ちゃん猫がいる。新しいスタッフの友人から譲り受けた猫で、グレーと白模様の背中に二本筋があるリスのような子猫である。みんなメロメロで、早速近所の人や友人らが会いにきて一緒に遊んでいる。

17時に仕事が終わり、近くのスーパーALDIでカズと待ち合わせをして買い物をする。買い物は大体週に一回まとめてやるため、大荷物を2人がけで抱えて帰る。

今日はなんだがあまり元気がなかったため、元気を出すために何かしようということになり、ずっと行ってみたかったインドレストランDERREL’Sに行くことにする。かなりヒップな人気店で普段はすごく混んでいるらしく、金曜夜ということもあり心配していたが、雨が降っていたせいか予約なしでもすんなりと入れた。店内はインドローカルの賑やかな食堂のような雰囲気で、前のテナントの黄色と茶色のタイル壁がすごくいい味を出していて、なかなかイケているお店だ。私たちはそれぞれライスとロティ、チャツネソースが入ったチキンティッカとバターチキンカレーのプレートをオーダーした。カレーの味付けもさることながら、チキンの香ばしさとお肉のほろほろとした柔らかさがすごく美味しくて、シンプルながらクオリティがかなり高かった。今度はアラカルトで色々と食べてみたいねなどと話し、店を後にする。

Newtownの方まで歩いてジェラート屋さんMapoに向かう。かなりの大行列で、店内も外も食べている人もいれば待っている人もいてひしめき合っていた。回転がいいのか意外とすぐに私たちの番になり、1スクープ2フレーバーをシェアすることにし、ジャージーミルクとキウイをオーダー。感動的に美味しかった。どうして一度の来たことがなかったのだろうと自分にびっくりするくらいに美味しかった。ジャージーミルクはクリーミーかつオリーブオイルが少し入っているのか風味がすごくよかった。キウイもフルーティーで滑らかさがミルクと相まって美味しさを助長させていた。

お腹がパンパンになり、消化させるために40分歩いて帰る。歩き疲れて即就寝してしまった。

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14.05.2025

朝6:30に起きる。顔を洗ってすぐにウィービングの作業に取り掛かる。木の織り機に縦糸をセットしてグレーの糸で織り始める。途中で終わらせ、バナナとグラノーラにオーツミルクをかけて食べる。着替えて、Redfernでのブックバインディングの仕事に向かう。今日の電車はかなりの満員電車だった。東京ほどの呼吸ができないくらいにぎゅうぎゅうの車内ではないが、シドニーの人口にしては満員であった。

仕事は9時から始まる。今日は昨日の本の続きでフレンチスティッチで糸綴じを終わらせる。次はカバーとエンドペーパーも取り替えるため、ボール紙とエンドページ用のマーブル紙をカットする。そしてエンドペーパーの裏側に貼り付ける紙もカットし、褪せた生成色に近い色に染める作業。乾かしている間に次は別の作業入る。昨日貼ったボード紙の続きで、今日は白い紙をボード紙に手で貼り付け、プレスマシーンを使って完全に密着させる。片面を乾かしながら、表面部分に写真をはめ込むために写真サイズに合わせてボード紙に切り込みを入れ、0.5ミリほど紙を剥がす。最後は今日初めにやった本の表紙のタイトル部分を切り取る作業。新しいカバーに移植するためだ。

ランチは昨日のディナーの残りを持ってきて食べる。すっかり冬の気候で寒くなってしまい、最近は工房の奥でお弁当を食べている。食べようとすると音で気づかれたか、カーリの愛犬ルイが来る。いつもそうだ。食べ物をもらえるのをずっと待っている。食べ終わったのがわかるとすかさずカーリの元へ戻ってしまう。とてもわかりやすい犬だ。
そして明日大事な来客がお店に来るとのことで、同僚のジュリアンと一緒に店内と工房を整理整頓し掃除する。

17時に仕事は終わり、今日は疲れて何もしたくない気分だった。ディナーは簡単にポテトチーズチヂミを作り、カズがブルワリーPhilterからテイクアウトしてくれた水曜限定で6個$6のスパイシーハニーチキンを食べた。今日は何をするにも気持ちが乗らなく、こういう日は何もしない方がいいよなと思いドラマを観終えることにした。23:30就寝。

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13.05.2025

朝6:30に起きる。すこしだけ日記を書く。朝食は昨日作った枝豆ご飯に玉ねぎ麹のスープ。朝ごはんに日本食を食べるのは久しぶりだ。

電車に乗ってRedfernで降りる。今日は歴史古書のブックバインディングの仕事。ここでは特に代々家族に受け継がれてきた本や、宗教本などの修復保存をメインでやっている。その他にも製本にまつわる道具や糊、紙も取り扱って販売している。面白いのが、この国は移民の国ということもあり、修復依頼の本は大体、イギリス・フランス・アメリカからの本が多い。200年ほど前にイギリス人が初めてこの国に辿り着いたと考えると、それ以前・以降の本がヨーロッパやアメリカ圏からのものなのは、確かにそうだろう。私はそこで2月から週3日で働き始め、3ヶ月が経とうとしている。オーナーのカーリは師匠のような存在で、とてもチャーミングで素敵な人だ。母と同世代だがすごく若々しくて毎週欠かさずにピラティスに通っている。

今日の仕事は、古書のフィルムカバー掛けをする。マイラー紙と呼ばれるポリエチレンフィルムを使って、本のサイズに合わせて保存のためにカバーをつける。
次は別の本の修復。まずは刷毛ブラシと本用の汚れ落としスポンジを使って汚れやホコリを取り除く。次は背表紙の劣化がひどいため、ページセクションごとの糸綴じを外して、新しく縫い綴じる作業だ。今回はフレンチスティッチという縫い方で、新しくカーリに教えてもらう。自分の中では初めてながらとても綺麗に出来たと思う。
お昼は隣の建築会社で働いているダビンと毎週恒例になっているランチ。新しくリニューアルしたパブNorfolk Hotelにてナスのパルミジャーナをオーダー。ダビンはフィッシュサンド。彼が通うピラティスのイケメントレーナーは筋肉隆々だという話をしていた。そして一緒に何かクリエイティブなプロジェクトをやりたいねなどと話した。
今日の最後の仕事は、85歳のアルバム製本の依頼で、表紙と裏表紙のボード紙とボール紙を貼り付ける作業だ。A3くらいのサイズで、大きなプレスマシーンを使って完全に貼り付けたりとかなり体を使う仕事だ。こういう体を使って仕事をするのは好きだ。頭も使い肉体も使ってこそやりがいを感じるし、ある種とても自然的かつ人間的であるようにも感じる。

17時に仕事は終わり、“see you guys tomorrow, thank you today”と言って工房兼お店を後にする。17:30にゾーイとMoriでスタジオシェアについて話そうと約束をしていたから、Lewishamに向かう。着いたら中はこの間のお別れパーティのままで畳が敷いてあり、その上で彼女は正座しながらパソコンワークをしていた。私はくすっと笑ってしまい、なぜならシドニーにてジャパニーズスタイルで仕事してるのはなかなか面白いと思ったからだ。パソコンを置いているテーブルも簡易的で、黒い木の板に脚は雑誌を積み上げただけだ。こういう創造性は好きだ。

彼女と今後のスタジオの方向性や、スペースの水回り問題やエントランスドアの解決策、展示やイベントなどのやりたいことをシェアした。私からはスタジオ名を提案した。これまでのスペースのMoriと似た、日本語ローマ字でスタジオのコンセプトに近いものをいくつか提案し、結構気に入ってくれたみたいで良かった。彼女とは感覚や考えが近くてとても話しやすい。そして私の拙い英語もちゃんと汲み取って理解してくれる。スタジオをシェアすることも完全に決まり、とても楽しみだしなによりも少しずつコミュニティーの一員になれているようですごく嬉しい。この街シドニーはまだまだ文化的ポテンシャルがあるしエネルギーもある。情報やモノが少ないからこそ、みな創意工夫を凝らして探究精神もある。ゾーイもグラフィックデザイナーでありながら、独学でコーディングも学んで自身でウェブサイトも作っていた。そして写真まで撮る。なんでもできる人が多くて影響を受けてばかりだ。さすがDIYの国である。これからここを拠点に新たな文化ができたらいいと思う。気づいたら7時近くになっていて、また来週ねと別れて歩いて家まで帰った。

着いたらカズがテリヤキミートボールを作って待っていてくれた。いつも私がミートボールの料理を作るとトマトソース系かクリームソース系になってしまうから、とても新鮮で美味しかった。シャワーを浴びて、日本での展示のスペースレンタルの問い合わせメールを送る。日記を書き終わって、ドラマを観た。22:30就寝。

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11.05.2025

7:30に起きる。今週から通い始めた近所のピラティスジムに向かうため、カズと着替えて8時に家を出る。8:30からマットピラティスクラスが始まる。2人とも5回券のトライアル中で、私は3回目、彼は今日が初めて。今日のトレーナーのクラスは初めてで、真面目そうなとても感じのいい女性だ。日曜日のせいか前回よりも人が多く、他の生徒達はいかにも鍛えてそうな、ルルレモンのウエアを着たオージーガールばかりで、カズだけ逆紅一点になっていた。
初めはストレッチから入っていい感じだったが、その後すぐに丸い手のひらサイズの床でスライドできるプレートを両手に当てて、かなり激しめなプランクとパンプアップトレーニングに入った。限界まで追い込まれ、プランクには自信があったが、体の軸をまったく保っていられず、腕はぶるぶると震え、体はマットの上に落ちまくっていた。なんたる悲惨な27歳よ。となりでやっていたカズも途中からついていけず、筋肉はかなりあるはずだが、スタミナが限界そうだった。前でやっていた他のオージーガール達はつらそうながら、次のレベルのポーズまでしながらしっかりこなしていっていた。

そんなこんなで50分のクラスは終わり、ヘトヘトになりながらジムの隣にあるSuprefreakというカフェでカズのお母さんのビッキーと3人でブランチをしに行った。カズはいつものサワードゥとスイスチーズとジャム、卵が入ったセット、ビッキーはブレッキーロールをオーダー。オーストラリアはブレックファーストなんちゃらがカフェの定番と言っていいほど絶対メニューにあり、どこのカフェも趣向を凝らしている。大体はサンドイッチかバンズで、中にはたまご、ベーコンやソーセージなどの加工肉キャラメライズドオニオンなどが入っている。私はカスタムでレモンハーブポテトサラダとカリフラワースーパーフードサラダの2種盛りをオーダーした。ここのサラダはいつも美味しくてクオリティが高い。ビッキーはカズの部屋を自分のアートスタジオにするらしく、とても嬉しそうに話していた。

母の日ということもあり、カズはお母さんに奢ってあげていた。カフェを出て、423番バスに乗りNewtownにあるキャンドルショップHUNTERに3人で向かった。ここはミルが教えてくれて、私たちが通っているピラティススタジオもそこのを使っていると言っていた。オーストラリア産の蜜蝋を使ったキャンドルで、30種類ほどの香りがある。私はタスマリアシリーズのユーカリの香りのキャンドルを買った。カズはお母さんにプレゼントしていた。
次はビッキーが買いたいものがあると言って、100メートルほど先にある画材屋さんにいく。小さな昔ながらのお店だが、たくさんのものが詰まっていていつもわくわくする。彼女はたしか筆を買っていた。

ビッキーと別れ、スーパーのALDIへ食材を買いに行く。道中で今日のピラティスのこと、同じく通っている友達のケイティの体力の凄さ(彼女はいつもピラティス後も予定が詰まっていて、常に動き回っているイメージ)に感心して、彼女は人間を超越してるよねと話していた。その瞬間に道路の反対側の歩道から歩いてきているのを見つけ、大声で「ケイティーーー」と叫び、4回目のケイティで彼女は気づいてこちらに来てくれた。今日のピラティスのことを話した。彼女は慣れるまで2、3ヶ月はかかるよと言っていて、彼女はまだ人間なようで安心した。話していると、次は私の仕事先のボタン屋のオーナー、ルーシーが前から歩いてきた。彼女は母の日のギフトケーキを持って、出掛けていたところだったらしい。

Newtownではこういうことがよく起こるから面白い。カズがそのあとに東京ではこういうこと起こらないよね、と言っていて本当にその通りで、誰かにたまたま会うなんて奇跡のようなものだ。ケイティと来週の一緒にピラティスクラスに行く約束をし、その後ALDIで今週の食材を買う。バスで帰る。

帰宅した途端に体の疲れが顕著に現れた。でもやりたいことはあるし、頭はまだ働いている。ベットの上でとりあえずドラマを観ることにした。休憩後はブログサイトを作り、今月お金を使いすぎているなとひしひしと感じ、支出・収入のエクセル表を作ってみた。案の定とても使いすぎていた。これといって家のことにしかあまり使っていないのだが、、。

ディナーはアンチョビローストチキンとポテト。先週ダニーとジョーがお家で振舞ってくれて、すごく美味しくてレシピを聞いて作ってみた。初めてチキン一羽丸ごと買って調理した。結構上手くできたし、アンチョビがいい風味と塩加減で、ハマってしまう味だ。その後も途中のサイト作りをし、22:30に就寝。

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10.05.2025

土曜日。いつもより遅い8:00起床。朝食は自家製のグラノーラにオーツミルクと先週初めて作ったルバーブのジャムをかけて食べる。その後、洗濯や部屋の片付け、掃除を始めて、自分の作業に入る。カズはサムとコーヒーを飲みに出かけた。毎日の日記を書き、英語の勉強、韓国旅行の下調べ。前日にパピエラボの江藤さんから韓国の民芸品やプロダクトショップを色々と教えてもらい、旅程をなんとなく考えてみた。ランチはカズを待ちきれず、一昨日の残りのキムチスープとライスを食べた。途中でカズは帰ってきて、とても美味しそうなキムチオムレツを作っていた。

そのあとは、LewishamにあるMoriという友達2人が運営しているスペースでお別れパーティがあるというので、行ってみることにした。ジャネルとウミの2人は建築家で、そこを事務所兼展示やイベントスペースとして使っている。来月から彼女達はそれぞれ長期旅行に出掛けてしまうのと、経済的な面もあり、一旦離れることにしたらしい。離れたあとは、グラフィックデザイナー/写真家のゾーイがスタジオとして使うみたいで、彼女はインスタでスタジオシェアの募集をかけていた。私は興味があって、前日に連絡して今日Moriで話そうと約束をしていた。

お別れパーティはみんなやっぱり寂しい雰囲気で漂っていた。また戻ってくるみたいではあるけれど、大事にしていたスペースを一旦手放してしまうのだから気持ちはわかる。彼女達とこれからのこと、旅行の予定のこと、最近をことをキャッチアップした。ゾーイももちろんそこにいて、タイミングを見計らって話しかけ、スタジオをシェアできたら嬉しいと伝え、私のアイデアや彼女の方向性をお互いにシェアした。いいじゃない!となり、これから進むことなりそうだ。建物を案内してくれ、奥にいくつもの部屋があり、それぞれでペインターや陶芸家、パターンナー、木工、ファッションデザイナーなど10人ほどのアーティストがスタジオやワークショップとして使っていて、なかなか面白い空間だった。

彼らと別れて、WoolloomoolooにあるArt Spaceという非営利の現代美術スペースで、Megan Alice Cluneのライブを観に行った。ライブ前のフロントスペースで友達のマイラに会う。彼女は音楽ライターのおじさんと話していて、また紹介してくれた。1ヶ月前にも別のギグで会ったことがあり、また会えたねと挨拶した。そこにはインドデザートとチャイのケータリングもあり、丸いドーナツみたいなのをつまむと口が乾くほど甘かった。なぜインドフードだったのかはわからない。

ライブはとても心地よかった。波の音から始まって、コインが落ちる音など様々な音が重なり合った自然的で美しい演奏だった。建物の窓から実際に海が見えて、その五感のリンクが好きだった。

Elizabeth Streetまで3人で歩く。バス停で別れ、買い物に行く予定だったが、結構疲れていて428番のバスで帰る。ディナーはポテトグラタンとトマトアボカドサラダを作る。夜は妹がおすすめしていたオフラインラブを観て、23:00就寝。

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09.05.2025

私は現在のオーストラリア・シドニーに住んでいる。2024年10月に引っ越してきて早7ヶ月経った。ここでの生活のことや、記憶を書き留めておくためにも、そしてシドニーについてもっと知ってもらうためにも書くということを再開しようと思う。


ついこの間、ふとスマホのマガジンアプリでPopeye magazineを読んでいた。次の7月に日本に一時帰国もするし、今東京ではどういうものが流行っているのか知ってみたかった。その号はたしか世界中の家特集であったが、オーストラリアの人は1人も特集されてなく、その後オンライン記事の方で「シドニー」「オーストラリア」と文字検索してみたが、一向にそれらにまつわる記事が見つからなかった。そこで思ったのは、オーストラリアのことみんなまだ興味もそこまでないし、文化的認知もされていないのだなと。この国に初めて旅行する前は、コアラ、カンガルー、Tame Impala、LOVE TEA(オーガニックのお茶)、上手くブランディングされた化粧品プロダクトしか知らなかった。

実際に現地に住むようになって知ったのは、シドニーではアンダーグラウンドカルチャーへのエネルギーがあり、すごく面白い。私と同世代のアーティストやクリエイター達の創造性や文化発展への熱量があるし、実験的な展示やイベントが意外にもたくさんある。それにシドニーに生まれ育った子達がそのいった意欲で頑張っているいて、土地や歴史への理解から生まれるものも含んでおり、より面白い。

そういった今のカルチャーを私の生活日記を通して、起きたこと・目で見てきたことを伝えていけたらと思う。


朝7:40に起きた。普段と比べると遅い起床。ふと思い立って、ボーイフレンドのカズに隣町のDulwich HillにあるカフェSmall Talksにドーナツを食べに行こうと提案し、朝食がてら行くことにした。家から歩いて20分ほどある場所で、普段あまり歩かない道だからけっこう遠く感じた。私たちはブレックファーストベーグルサンドとドーナツをシェア、カズはロングブラックをオーダーした。サンドはピクルスソースが甘辛くて美味しかった。私たち以外のお客さんはすぐ近所に住んでいる感じの常連ばかりでみんなコーヒーしか頼んでいなかった。外観や内装はヒップでミニマムな感じのデザインだが、こうして地元のお客さんが来るお店はとても好きだ。

食べ終わったのは8:50くらいで、10時からの仕事にはまだ早かったから、カズと別れてまた家まで歩いて帰った。それでもまだ時間があったから、ずっとやりたかったことで、台湾の友達がくれた植物の鉢植えをすばやく終わらせて、仕事に向かった。

10時から17時までボタン屋さんでの仕事。お店はNewtownという街にあって、東京で言うと下北沢のようなエリア。いうなれば80~00年代まではかなりヒッピーでヴィンテージショップも多かった場所だが、今ではチェーンや飲食店が増え、小さなお店も商業化されたようなお店に変わってしまった。普段はお店に立って接客販売をしているが、今日はブライダルブランドから1500個分のボタンカバーのオーダーが入っていたから、一日中作っていた。

仕事終わりにカズからMarrickvilleにある名物パブMarrickville Bowloで仕事仲間のJackと飲んでるから来なよ、と連絡がありバスで向かった。そこは近所のおじちゃん達や若者達がそれぞれにビールを楽しんでいる仕事終わりの憩いのパブで、来るたびにこういう場所はずっと残ってほしいと思う。途中でジャックのガールフレンドのミルも合流し、再来月に行く韓国の話や、ソプラノズの最新作の話、ミルが通っているピラティスジムに私も通い始めたことも話した。だが彼女は最近退会してしまったらしい。パブにはライブステージやゲートボール場、ビリヤードテーブルまである。今日は途中からイタリアンポップライブが始まり、観客の少なさと相まって、ソプラノズのシーンを彷彿させるような異様な雰囲気が漂っていた。

気づいたら時間は19時になっていて、2人とは別れて近くの新しくできたピザ屋に行った。そこはセントラル駅にもお店があって以前にも行ったことがあった。工場やブルワリーが多くあるエリアの中にあって、クラブミュージックがかかったイケイケすぎる空間でかなり驚いた。ミートボールアラビアータピザを一枚だけ頼んでみた。セントラル駅本店の方が生地もソースも明らかに美味しくて、なんだか少しがっかりした。

歩いて帰宅。寒すぎてすぐにベットに入ってしまった。そのまま就寝。

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